読書 「有頂天家族」 森見登美彦 著

* 秋の夜長は読書とブログ *

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「有頂天家族」 森見登美彦 著

正直、この作品まで森見せんせいという
作家を知りませんでした(正直すぎる)。
しかし読んでみたらもう。
離れられなくなりました…!
本を読んでいるのに声を出して笑うという
体験は久しぶりの事でございます…!


きっかけはこの「有頂天家族」。
7月~9月にアニメとして放映された
作品でもあります。
このアニメの舞台イベントに興味本位で
行くことにしていたのですが、その際に
「原作は読んでおこうかな」と思ったのが
最初でした。

それは京都に暮らす、狸と天狗と人間の
ややこしくも素敵な物語でした。

下鴨神社に生息する狸の一家、下鴨家。
糺の森には本当に狸がいるそうで、
森見せんせいはその狸を知ってこの作品を
書こうと思ったとか思わなかったとか。
いや思ったから書かれたのではないのか。
そこらへんは諸説紛々あるとして。

この作品は狸も天狗も人間も、驚くほど
等身大でリアルに描かれているというのに
やることなすことファンタジーにどっぷりで
現実との線があやうく引けなくなりそう。

「面白きことは佳きことなり」

そんな人(狸)生訓を掲げて暮らす狸たちは
とても愛らしくかわいく、したたかに懸命です。

対して人間の貪欲さと天狗の孤高さ。
それぞれの思惑が交差しながら
物語は地味に進んでいきます。

…それはもう、地味に。いつの間にか。
ひたひたと。潮が寄せるように。
気付けば大海原にぽつんとひとり。
ぽかんと開けて物語は終焉を迎えていました。

いやもう森見せんせいの独特の文章の世界に
引きずり込まれているうちに!
いつの間にか本が終わってるんですよ!
本当ですよ!!

狸は、人は、天狗は…これからどうするのか。
京都の街を舞台に、彼らの「生活」は
続いていくのでありましょう。

この森見せんせいの文章は実際に読んで
体験していただかねばわかるまい、

たまらない「面白さ」にあふれています。
本が面白いというか本当に

 森見せんせいがおもしろい

そう思わずにいられなくなる一冊です。
森見せんせい導入に有頂天家族はとても
わかりやすく親切な本だと思います。

あまりの面白さに森見せんせいの本は
お外で読むことができません。
ぷっと吹き出してしまう場面が本当に
多いからでございます…←

現在は「聖なる怠け者の冒険」を拝読中。
これもたまらない面白さです…w

テレビアニメ「有頂天家族」
http://www.uchoten-anime.com/
DVD&BDの発売があるようです。

 

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

有頂天家族 (幻冬舎文庫)